Update 1.Sep.2014
IC-7410用マイクプリアンプ
50年前のマイクロフォンを真空管プリアンプで使ってみたかった!

現用のアイコム純正のエレクトレットコンデンサマイクは音質、感度などに問題は無いのだが、50年前に開局した頃のジャンクで手に入れたダイナミックマイクがあって今まで一度も使ったことが無かったのでこの度再開したことでぜひ使ってみたいものだと思っていた。
無線機にAUX入力があるのでそこへの入力にプリアンプが必要なのだが、古い手持ちの関連部品を利用することや自作の楽しみや面白さもある一石二鳥、三鳥の目的も適えられると言うことでマイク用プリアンプを作ってみた。キャノンコネクタを使う様な高級なマイクではないので現状のあるがままの仕様で設計したが、将来的には変更改造することになるかもしれない。

構成は真空管式とトランジスタ式の2チャンネルとしてそれぞれ個別とミックスの3出力にして出力のレベルメーターを付加した。無線機用なので送信スイッチも付けたが通常は外部にリモートの 送信スイッチを取り出してそれで操作をする様にしてある。
真空管アンプは双三極管の12AX7Aの2段でgainは約50dB、トランジスタのアンプはむか〜しのカセットテレコの録音用アンプで必要な部分だけを切り取って適当に改造して流用したもので、ブートストラップ方式の2段構成でgainは約70dBと結構high gainにしてみた。
真空管用の部品で一つだけ困ったのは電源トランス。小形で適当なものは注文でもしない限り手に入らないので、トランジスタ用に用意したトランスで一次巻線が240Vに対応した100/120Vの分割2巻線の一つを高圧B電源用にすることで解決した。負荷電流は最大でも5〜6mAも取れれば十分なので結果としてDC135Vを得ることが出来た。
周波数特性は真空管式では50Hzで-1dBで100Hz〜10KHzではフラット、トランジスタ式では20Hz〜10KHzがフラットな特性なのでSSBの変調用としては十分な特性だと思う。実際の運用で相手局にデータを取ってもらった所、中域から高域の伸びが無いことがわかって、これはマイクロフォンの特性なのかなとも思えるので補正でイコライザーを入れてブーストさせるか根本的には新しくマイクロフォンを購入することも選択肢の一つ。

本体内部。電源トランスは某メーカーの輸出オーディオ機器用のもので、うまい具合に一次巻線が100/120Vの2巻線で分割、コモンが一次電源とアイソレートされるので感電とか短絡などの心配がない。

50年前のダイナミックマイクロフォン。40KΩのハイインピーダンスでメーカーその他の仕様は不詳。銘板が消えかかっていてシリアルNo.のみ判読出来る。ダイキャスト製の頑丈でレトロな良い雰囲気だと思うのだが。

40年程前に別の予定でベンダーで曲げて作っておいたもの。
やっと日の目を見ることになった。

穴加工のケガキ


部品、ユニットの取付けは皿ネジで底部の出っ張りをなくす。

カバーは1mm厚のアルミ板を曲げて作った。
放熱の穴を開けておく。

すべての穴加工が完了。

カバーはマットブラック(つや消し黒)に塗装。

レタリングで英数文字を転写して
つや消しのクリヤーラッカーで抑えてある。

マイク入力と出力レベルコントロールのサブパネルユニット。

マイク入力ジャックのコモンはシャーシと絶縁したいので
こんなタイプにした。

電源スイッチと送信スイッチのサブパネルユニット。

送信スイッチは配線用の専用基板があってよかった。

買ってデッドストックの長い休眠からついに出番が来た
日置製の38型VUメーター! 感度はfs1mA

メーターアンプはオーディオ用リニアICで作って
メーターに直付けしてユニット化しておいた。

双三極管12AX7A、5本選んで差し替えてノイズや
誘導ハムなどを比較してみたが大差なく良好だった。

回路のほとんどをこのサブシャーシ内で組み上げて
動作確認、調整、測定、定数変更などを済ませておく。

DC電源基板。VUメーターアンプ用に30V、トランジスタアンプ用に3端子レギュレーターで13.8V。送信信号のリレーも同居。

カセットテレコの録音基板から切り出して改造したアンプ。
回路各部にワイヤラッピングのピンを取付けて配線用に使う。

主要パーツ、ユニットなどの全て。


出力の個別表示を入れ忘れてしまった!


照明にチップ型高輝度LEDを取付けた。