Update 26.Jun.2019
6SN7マイクアンプ改造
不平衡入力を平衡入力対応に変更し不平衡入力回路も切り替えで残す

エレクトレットコンデンサーマイクロフォンを使ってみようと思ってとりあえず ファンタム電源を購入したが、考えてみたらこれまでのマイクアンプは全てが不平衡入力で平衡入力のアンプがないことに気がついた。
さてどうしようかと言うことで、最初はOP AMPでデファレンシャルのアンプを作ってファンタム電源ユニットに組み込んでやろうと思ったのだが、中に OP AMP用の±電源がないのでそれを新たに作るのも面倒なので諦めた。
そこで苦肉の策で思いついたのが 現用の真空管アンプの入力に入力トランスを追加して平衡入力回路を作ること。
マイク用の高級な入力トランスの持ち合わせはないが、昔の山水電気製の信号用小型トランスがいくつかあって、 その中にA-604というMCカートリッジ用の昇圧トランスがあったので使ってみることにした。
このトランスは一応高級品らしいのだが問題はその インピーダンスで、入力一次が3.5Ωと超低インピーダンスで巻線比が1:40とあるので正規のマッチングでは計算上は32dBの利得がある。
今回の使い方ではハイインピーダンスからの入力では波形歪みが大きいので終端抵抗を付加して見掛けのインピーダンスをうんと低くして波形の補正を する必要があった。
既設のキャノンコネクタXLRを平衡入力にして、従来のコンデンサカップリング不平衡入力はフォンミニ3.5φジャックの プラグインでの切り替えで使えるようにした。
動作的にはトランスの平衡入力では利得(at 1kHz)が総合で50dBほどと大きくなった。 また周波数特性ではRef.1kHzで200Hz辺りからの低域の減衰が大きくなったがマイクロフォンとの特性的なマッチングもあるので一概に善し悪しの 評価はできない。トランス単体の周波数特性は20Hz〜15kHzまでフラットなので使い方として無理なインピーダンス補正とかアンプの特性などの 総合的な結果だと思える。         (2019.6.26)






インピーダンスに関係なく0.775V=0dBSを基準とした相対電圧


シャーシ加工、配線、調整、測定

シャーシ穴あけ加工のためサブパネルAss'yを取り出す。

入力トランス用MT9Pソケットの取り付け穴加工。

MT管9Pソケット、外したサブパネルAss'y取り付け。

ソケットのセンターピンは不要なので除去した。

平衡入力のXLRコネクタと入力トランス一次は直結。

不平衡入力のミニ3.5φジャック回路の配線が変更された。

入力感度、利得、出力、周波数特性、歪などの測定確認。

真空管シールドはこの状態では必要なさそう。

周波数1kHzの波形。プローブATT1/10
入力トランスの山水A-604はMCカートリッジの昇圧トランスなので一次は超低インピーダンスの ため低めの終端抵抗を付加して波形の修整をする。
マイク用入力トランスではないので流用にしてもインピーダンス無視の無謀な用法なのだが巻線比が1:40なので マッチング状態では32dBの利得があることになる。


同じ入力レベルでは出力がかなり大きくなるので、レベルコントロールは大きく絞ることになる。
●改造後の回路図はこちら