Update 25.Dec.2013
オートダイン受信機0-V-2の製作
少年の頃初めて作った短波受信機の復刻版


トップページの備忘録「初めて作った短波受信機、オートダイン0-V-2」で記述しているが、少年の頃初めて作った真空管の短波受信機があった。 最近になってそのことを思い出してなんか懐かしくて作ってみる気になった。
昔からの手持ちの部品などを調べてみたらなんとか1台作れるだけのものがあることがわかって、今様に少しアレンジしてネオクラシックな感じでの復刻版とでも言うか、そんなものを少し前から作り始めた。 当時は図体の大きいST管の4球だったが、今度はシャーシのサイズの都合でMT管の2球で同じ回路構成でやることになった。 なにせ部品のほとんどが45年以上前のデッドストックだったものばかりなので,それらの都合に合わせてやるしかないのだが、シャーシはもう二回りほど大きい方がいいなとは思ったが仕方ない。 ちょっとオシャレと思ってスピーカーグリルとダイヤルエスカッションはABS樹脂の廃材切れ端から切り出して加工して、ついでに格好付けで取っ手を付けてみた。この取っ手は家具用のプラスティック製なのだがなんかモダンないい感じになったので良かった。
時間をつくって少しずつやって来てやっとこさ部品取り付けの組立ては完了した。 その後少し間を置いてヒマを見て配線をして調整や変更の改造、問題対策などをして一応完成した。

性能としては、感度はなかなかいい感じで7MHzのアマ無線も受信出来る。しかし所詮同調回路が一ヶ所だけのストレート受信機なので同調がブロードで選択度ではかなり劣る。そのため混信状態のSSBは復調がうまく出来ないがCWはきれいに出来る。昔はこれでアマだけでなくCMや軍も通信に使っていた時期があったのだが現在ではとても実用にはならないだろう。
レトロな雰囲気を懐かしんで海外放送を聴きながらその動作や操作を楽しむSWLで使うことにする。


プラグインコイルは最初に作った時に使ったのをず〜っと持ち続けていたもので、バリコンは350PFの単連があったのだが、どうしても430PFでやりたくてヤフオクで探してちょっと高価だったが落札して手に入れた。
欲を言うなら周波数直線型ならもっと良かったと思うのだが贅沢は言えない。


このアルミシャーシも物持ち良く保管してあった。懐かしい「アイデアル」摂津金属工業のNo.6で208×108×50なのでST管では無論、MT管でも単管で4球ではとても入らないので複合管と整流はシリコンダイオードにしてMT管2球での0-V-2と言うことになった。


主要部品を集めて列べてみたが、最終的に使わなかったものもあるしこれら以外に追加したものもある。


昔ながらのハンドツールを駆使してシャーシとパネルや必要な金具などを加工する。
真空管ソケットの穴は今や化石の「シャーシパンチ」で開けた。


仮組立をして色々と状態を確認して追加や修正の加工をする。


シャーシ、パネルの加工から部品取付け、配線、完成まで


フロントパネルの穴開け加工。


シャーシの穴開け加工。


塗装の前の研磨で、もう少し荒い方が良かった感じ。


シャーシは地肌のまま

塗装乾燥後、機能名をレタリング転写して保護にクリアラッカーで抑える。旧海軍無線機カラーも良いかなと思ったが、
市販のカラースプレーの近似色に良いのがなかったので手持ちのこのシルバーメタリックになった。

バーニヤダイヤルのエスカッションとスピーカーグリルを廃材のABS樹脂切れ端から切り出して作る。



スピーカーグリルとダイヤルエスカッション
マットブラック(つや消し黒)のスプレーラッカーで塗装。


シャーシ、パネルの組立


各部品取付け完了



この後調整の過程で電源平滑回路の変更で
ホーロー抵抗がシャーシ上に取付けられる。


配線用ラグ板などは必要に応じて適宜取付ける


シャーシ底部シールド板を0.3tアルミ版で作る

再生方式なので発振気味にして受信周波数をカウンタで表示してみようと思ったが色々な理由で旨く行かなかった。
代わりにオシロスコープのスペアナ機能でスペクトル分布から大体の周波数を読取ることができた。


誘導ハムを拾う感じがしたのでシールド板を取付けた。
これで完全にシャット出来た。

完成後の最終配線状況。検波管出力回路の高周波チョークコイルと低周波チョークトランスは良いものがなくて抵抗でやろうと思っていたが、高周波チョークは並四用でも良さそうで、低周波チョークは昔のトランジスタ用トランスでの代用を思いついて使用電圧の大きな違いや絶縁などの懸念もあったが、山水電気のST12という入力トランスを使ってみたらなんの問題もなく良い結果になった。
低周波の出力トランスは配置スペースの都合でこんな所になってしまったが、検波管の出力回路の高周波と低周波のチョークコイルと干渉する可能性があるので出来ればもっと離した方が良い。故意に近づけると磁気結合でハウリングを起こした。