0-V-2・・・初めての短波受信機 小学生の頃から「模型とラジオ」という雑誌を不定期で読んでいて、中1の頃だったか短波受信機の製作の記事が載っていて強い興味を持った。短波放送と言えば当時は近所の株屋が日本短波で株式市況を大音量で流していたのを聴かされていたくらいで、この記事でアマ無線や世界中に短波のラジオ放送があるのを知った。 その記事はまだなんにも知識がない頃だったが、掲載写真の真空管とかバリコンやトランスなどは他の並4や高1ラジオを見ていて見覚えのある部品達だった。記事を読むとそれらが部品として使える様な事が書いてあって、シャーシとパネル、プラグインコイルのセットを販売している広告を見つけて、子供心にこれさえあれば他のパーツはなんとかなると親に頼み込んで東京から通販で買ってもらった。他の部品は近所でもらったラジオをバラしてあつらえた。 そして作った初めての短波受信機がオートダインの0-V-2。 ST管で6C6-76-6ZP1-12Fの4球構成でカバーリングは3.5〜10Mcの仕様だったが、手に入れた単連バリコンがどうも360pFだったみたいで仕様の430pFではなかった為に低い周波数帯の3.5Mのアマ無線や日本短波の放送を受信出来なかった。これは知識が増えて後で知った事だが、当初はなんで?となんとかしようと訳もわからず弄り回していたようだ。 もう一つどうしても欲しい部品があって、36mmφのバーニヤダイヤルなのだが、記事の写真にも乗っていていかにも無線機と言った雰囲気でカッコいいと思った。パネルにはそれの取付け穴がすでに開けてあってそれはなくてはならぬモノだった。当時豊橋に開店したばかりの店を先輩から教えられて小遣いを貯めて電車に乗ってそれだけを買いに行った憶えがある。この店に入ったらいろいろな電子部品や機材、真空管、シャーシやケース、その他諸々置いてあって、初めて見る世界に驚くと共に魅了されてしまった。 何も知らないビギナーがただ作っただけだから、電源入れてダイヤル回したら強力な北京放送が受信出来て音が出たときは大喜びだった。ここからがSWLの始まりでいつかはアマ無線をと意識しながら海外放送とたまに受信出来る7Mのアマ無線をワッチしていた。 もう今から52,3年前のことだから機械は跡形もないのだが、プラグインコイルだけは買ったときのオリジナルのままで残っている。ボビンだけ売っている事は後で知ったのだが、早くに知っていたならコイルは自分で巻いただろうと思う。
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 はっきり憶えていないが大体こんな感じだった。出力トランス付スピーカーがパネル取り付けでネット代わりに学生ズボンの古布を貼った。木製キャビネットの並四ラジオを、1.2mm厚の化粧塗装したアルミ板パネルにしてバーニヤダイヤルで格好付けたってところか。電源SW付の音量VRと再生は豆コンの代わりにVRで、当時スタンダード?な矢型ツマミでコントロール。 |  シャーシは普通の並四シャーシだった。あとで思えば通販で買わなくとも手に入ったのだが、ビギナーはとにかく記事にあるこれでなけりゃダメという所から始まるから仕方ない。コイルと検波管の6C6(シールドケース付)の配置がテレコだったかもしれない。シャフトカップリングなるものをまだ知らなくて、バリコンの軸とダイヤルは直結で芯出しに苦労した。 |
パネルの端切れがあった! このページを作った後でン?と思い出して、金属材料の細切れストックの箱の中を探したら底に下敷きになってあった。 そうそう、コレ。色々なものに流用して、あげく切り刻まれて端切れで残った残骸。コールサインを彫ってネームプレートを作ろうとしたことを思い出した。 |