おもいでの山      三伏峠・烏帽子岳  前夜発1999.7.30〜7.31
豊口山登山口〜三伏峠〜烏帽子岳〜三伏峠〜豊口山登山口
以前は塩川から入山していたが、豊口山ルートは時間も短縮出来て、比較的楽に登ることが出来る。
鳥倉林道ゲートの駐車スペースは狭くてすぐに詰まってしまうので早めに出発。
午前3時に到着、仮眠と朝食の後、6:00に豊口山登山口へ向けてアスファルト舗装された緩い上りの車道を歩き出す。快晴で朝の冷気が気持ちいい。
所々落石やその痕跡があり、自動車の通行規制の意味が良く分かる。
登山口から眺望の効かない樹林の中を登り続け、北側に小黒山が垣間見られるようになるとまもなく塩川からの道と合流し、少し急登の後三伏峠小屋の前に出る。
烏帽子岳への樹林の中の道を行くとすぐに開けて、右が切り立ったガレの鞍部に出る。
ここが三伏沢原頭の草原、お花畑の上部で、塩見岳が大きく見え三峰岳,間ノ岳,農鳥岳が遠望出来る。
反対側には小河内沢から立ち上がる小河内岳,大日影山,小日影山,除キ山が正面に展開する。
このまま稜線伝いに行けば烏帽子岳へ向かうことになるが、今日は三伏小屋前の幕営地で幕営なので、ここからお花畑の中を三伏沢に下る。
ダケカンバやシャクナゲなどの樹林の間に高度が下がって塩見岳が変化するのを時々眺めながら細い階段状の石の道をどんどん下って行くと、咲く花の種類も変わってきて、道の両脇に幕営のサイトが所々現れて、間もなく三伏小屋の前に到着する。
ここで泊まるパーティは比較的少ないことと午前11時と早いこともあって設営済のテントの数
はまだ2,3張りと少ない。
好みの、と言ってもどれもどこか難ありで良好ではないが適当なサイトを選んでテントを設営。(早いモン勝ちだもんね)
ここの水場は烏帽子岳下部の湧き水で、水量もありおいしい。次の時は冷やしそうめんをやろうと思っている。
今日は来ないのかと思っていたらやはり来ました、若いお兄ちゃんが。
サイト利用料の徴集、1人600円で2人分1200円也!
軽く昼食を済まして一息ついたら、この山行で一番の楽しみ、お花畑の散策に出かける。
靴をスニーカーに履き替えてカメラだけ持って、先程下って来た道をゆっくり道草しながら登り返してお花畑まで行く。
空荷で遊びながら歩くこののどかな気分はまた格別、最高!


一週間前にも別パーティとここに来たのだが、花の色模様がもう変わっている様で、山の季節のうつろいは早いものだと感じる。
≪ここで見つけた花≫ タカネグンナイフウロ,トリカブト,ハクロバイ,ミヤマキンポウゲ,クルマユリ,ウサギギク,コバイケソウ,ハクサンシャクナゲ,マルガダケブキ,タカネコウリンカ,テガタチドリ,タカネマツムシソウ,ヨツバシオガマ,イワツメクサ,イブキジャコウソウ,ハクサンフウロ,ゴゼンタチバナ,ヤマオダマキ
その他にももっと沢山。稜線の樹林帯のお花畑でクロユリも見つけたが写真撮影に失敗。
二日目7:30に三伏沢を出発、烏帽子岳山頂を目指す。
昨日来た道を引き返すのだが、お花畑の鞍部まで戻らず途中の左に登る分かれ道に入る。
急登でダケカンバやシャクナゲ,ハイマツ,背高の木々の中の苦しい登りだが、烏帽子岳間近の稜線に出ることが出来て時間も短い。
ダケカンバが繁る少しぬかるんでよく滑る最後の短い急登を終えると切り立ったガレの稜線に出た。
ここから山頂まではもうすぐだ。

塩見岳から右に延びる北俣尾根の向こうに蝙蝠岳、その彼方には秀麗な姿の富士山が浮かび上がって見える。
また西の彼方には恵那山もみることが出来る。

烏帽子岳の山頂(2726m)は平らで小さい広場。
快晴の朝、360度見渡す展望は素晴らしい!
塩見岳が目の前の間近にそのどっしりと構えた姿を見せて威容を誇り、左彼方に農鳥岳,間ノ岳,三峰岳、本谷山,権右衛門山越しの仙塩尾根を経て甲斐駒ヶ岳,仙丈岳、北アルプスの連山を見渡すことが出来る。


南に眼を転じると小河内岳から荒川三山の峰々の連なりが広がり、先程話しを交わして見送った単独行のおじさん(わたしもそうだが...)の稜線を行くのが小さな点でも見届けられる。
先は分からないが、取り合えず高山裏露営地まで行ってみるとのことだったが、なかなか達者な足取りで大したものだ。
三伏,烏帽子は赤石,聖へと続く大縦走路の起点
あるいは終点ともなる地だ。
今日はこれまでに出会った人はあの一人だけで、他に誰もいない。弱い風の音だけで静かなものだ。
山頂の南側は稜線から続く切り立ったガレになっていて高度感があるが、北側はなだらかなハイマツにダケカンバの入り交じった樹海のスロープがそのまま塩見岳へ続くように見える。
ここ山頂周辺の高山植物はイワツメクサやイブキジャコウソウなどの砂礫や礫地に生育する乾性のものが目立つ。
今日はここから三伏峠に戻って下山するだけなので時間が十分にあって、ゆっくりと山頂からの素晴らしい展望を満喫することが出来た。
仙丈,甲斐駒,間ノをバックに記念写真も撮って、心残りながら下山することにした。
三伏峠までは左に急峻なガレが何ケ所かあるが稜線漫歩が楽しめる。
三伏沢からの合流点を過ぎると稜線の北側をトラバース気味に歩くようになり、ハイマツやダケカンバの混じる樹林帯のお花畑らしい草地に沿って楽しみながら下る。
樹林帯を抜けて再び稜線に出たら前が開けて三伏沢上部のお花畑のある鞍部に出た。
ここからの、なんとも牧歌的な気分になれる塩見岳を眺める景色は本当に素晴らしい!
しばらくお花畑の花と遊んでから、また来るねと別れを告げる。
三伏小屋前の広場で休憩、下山のパッキングをし直す。
今日は土曜日なのでかな、幾組かのパーティが上がって来ていて少し賑わいがある。
大きな標識を入れて記念写真を一枚。
10:10に下山を始めたが、塩川ルートの分岐で15名くらいのオジサン・オバサンが休憩で道を塞いでいるのがまずかった。ついその塩川ルートに入ってしまい、急下降が続いてこれは昔歩いた道だと気が付いて引き返した時は、分岐点までの往復約1時間のタイムロスで腹の立つ余分なアルバイト。
結局13:15に豊口山登山口に下山、ここから鳥倉林道ゲートまで30分強のアスファルト道路の緩い下りは堪えた。
駒ヶ根のこまくさの湯で汗を流して、遅い昼食、いや、早い夕食をソースカツ丼で腹を満たし帰路に付いた。