43年前のおもいで     

塗装してから日干し乾燥させようと外に出して置いたのをインフルエンザで忘れておった。
メモリアル・オブジェにしようと、コツコツと汚れや錆を落として磨いて塗装したもの。 雨に濡れなくてよかった。

まだマルビの高校生の時だったな、銭湯で友人を通して知り合った人と自分のボロスポーツカブと交換したランペットDAに付いていたエンジンのシリンダー。
ウチに来た時は一つ一つのパーツにまでバラされた

車体と一固まりのエンジンと二つの車輪だった。
もともとスポーツのCA2が欲しかったが簡単に手に入るものでもなく、実用車のエースDA/56ccでも嬉しかったものだ。
後に手にするスポーツCA2が来るまでいろいろと楽しませてくれて、しっかりと勉強もさせてくれた、言わばこれこそが私のバイクのそして車いじりの原点になったとも言える。
このエンジン一式だけは捨てられずに1斗凾に入れて持ち続けて来た。
昨年になってランペットのレストアをやっているって人がHPのカキコでやって来ておつき合いが始まる。
それを機にパーツの一部を譲ることになり整理することにしたが、このシリンダーは捨てる訳には行かない。
手許に残しておきたいと考えて室内に飾れる様にした。

灯油に浸して軽く洗った後焼けてこびり付いた泥油をつついていると、かすかに、いや、確かに、自分で混ぜて作ったはずの混合ガソリンの匂いがする!
その瞬間からあのランペのかん高い排気音が聴こえてくる。
43年前の追憶への誘いだ。
スポーツCA2へのモドキ改造に一所懸命だった。
圧縮を上げようとアルミ板で薄いガスケットを作ったり、回転を上げようとピストンのスカートをカットしたりと、まあ涙ぐましい努力だった。
でもこのシリンダーではどうしようもないことはあったな。
排気ポートの角度が違うからエキゾーストパイプをどうひねってみてもダウンマフラーにはならない。
キットパーツなんてアマチュアには手に入らない時代だったな...

     足のしびれに気がついて焦点が手に持つシリンダーに。
     手が止まってる。
     ここをもう少しこすってやるか...コリ、コリ、コリ...

     遠い昔の少年の日々。
     希望に満ちても適わぬことの方が多かった。
     でもささやかな成果を想って努力はしたものだ。

     いい一時が持ててよかったな...。
                    '07年2月
                     春の陽射しに誘われて