猿倉から小日向のコルへ・スキ−登山  '84.5.2〜5.3
白馬・二股(発電所)〜猿倉〜小日向のコル〜猿倉〜二股

白馬駅から猿倉荘までの定期バスが通う舗装された林道は、雪解けと除雪で普通に歩けるのだが、ガチガチの登山靴では返って堪える。
タラタラと歩いて2時間20分で猿倉荘前に到着、テントを設営する。
猿倉荘で水を貰うことが出来たが、2度目は断られてしまった。
致し方ないことと反省。
なんてったって周りは水源の雪ばかりなのでコンロで融雪。
久しぶりの雪上幕営だがエアマットのおかげで寒くもなく快適、良く眠れた。


小日向のコルは杓子岳から東へ延びる双子尾根と小日向山の間にあって、この先は杓子沢を登って杓子沢のコルへ出るか、横切って鑓温泉を経て鑓ガ岳南側の白馬から唐松への縦走路へ出るバリエーションルートにもなっている。
今はまだ積雪で雪崩の巣みたいなもので、足を延ばすことはとてもできない。
白馬岳から鑓ガ岳、天狗の頭方面は雲とガスに被われて冬景色そのもの。
テントが1張あるのだが、ここをベースにどこかへ行っているのか?


スキーブーツに履き替えてスキーを付ける。
滑り始めの3,40m程は斜度20°位かな?なかなかきつく感じるし、荷物があるのでゲレンデとは勝手が違う。
おまけに脱いだ登山靴が増えているので結構な量と重量だ。
わたしの登山靴は1足で2.5kgもあるのだが、履いている時は気にならないのに担ぐとなると俄然存在感が出て来るのだ!


テントを撤収、下山準備に掛かる。
天気もいいし体調もいいので、もう1,2泊して遊びたい気分だ。
隣にもう一つ他パーティのテントがあるのだが、昨日から物音や気配がない。
どこへ行っているのだろうか...?

五月の連休にスキー登山をやろうと言うことになったが、後立山の信州側のどこか難しくない適当な所をと考えて、猿倉をベースにすることにした。
前夜発の夜行で車で出発、二股発電所近くの広場に着いて仮眠休憩。
今日は猿倉荘前の広場まで行って幕営なので急ぐことはない。
通常の冬装備にスキー一式を担ぐのでちょっと余分に重い。
スキーを高位置に付け過ぎた様で安定が悪いがこのまま慣れればいいと、昼過ぎに出発。


小日向のコルを目指して、翌朝8時30分に出発。
北股入に合流する長走沢を右下に沿って、双子尾根北東面下の谷間台地を歩く。
気温が上がって適当に緩んだ雪面は、アイゼンも使わずピッケルは杖代わり、歩きやすい。
コル直下は少し斜度がきつくて、湿って腐った深い雪はなかなか手強い!
何度も足を捕られて苦労しながらコルへ到着。2時間30分掛かってしまった。
フランスパン,ライ麦パン,ジャム,マーマレードなどで昼食。


1907mと標高の低い小日向山辺りは、五月晴れとはゆかないまでも晴れて青空が見える。
風もさ程強くなく3,4m程か、日差しもあって暖かく、遠くの何やら低い音のざわめきも聴こえる。
小日向山へ往復しようと思ったが、余分な物を猿倉のテントにデポして来たこともあって、天気の急変を考えると危ないと考えてやめた。
景色を眺めて休憩もしたので、これから猿倉のテントまでスキーで下山することにする。


気温が上がった昼過ぎの雪は予想以上に重い。
パラレルなんて格好つけようにもそれは無理。マスの増えた身体は勝手に飛び出して、必ず雪と親密になれる。
この荒れた急斜面は安全第一のボーゲンとシュテム・ターンで乗り切るしかないと悟るに時間は掛からない。
すぐに緩斜面になるが、ここは杓子尾根と双子尾根の間の谷間状の台地で、斜度の緩さと湿った重い雪でスキーが滑らない。
スケーティングではバランスを崩すのでひたすらストックで漕ぐ。
写真を撮ったりと静かな春山を味わって無事猿倉荘前に到着。
登り2時間30分、下りあっけなくも30分のピストン山行。


猿倉から二股までは北股入右岸を行ける所までスキーで行こうと言うことになった。
雪解けで露出した河原石や解けかかった浅瀬の氷なんかもあってズ−と不安のまま、1時間かかって行程の半分程は下れたように感じたが、滑走出来る雪面が少なくなって来たのと堰きが現れて、丁度すぐ上に車道が見えたのでスキーを担いで15mほどの崖をよじ登って車道に出た。
ここから歩き始めて30分で二股にデポした車に到着。スキーで少しはエスケープ出来た勘定か?
河原に移動して落語を聞きながら早い夕食を済まして帰路に付いた。