池山吊尾根から北岳・塩見岳縦走  '75.8.11〜8.16
あるき沢橋〜池山小屋〜ボーコン沢ノ頭〜北岳〜間ノ岳〜三峰岳〜
熊ノ平〜北荒川岳〜雪投沢〜塩見岳〜本谷山〜三伏峠〜塩川・鹿塩
北岳へは広河原からのルートが一般的なのだが、今や冬ルートとしてしか使われなくなってしまった昔のメインルートで登る。


小屋前を発ってからずっと急な登りで、城峰から尾根道になり鳳凰展望台あたりから眺望が良くなる。
農鳥岳や間ノ岳がひろがって森林限界だ。
ボ−コン沢ノ頭からの北岳バットレス、600mの垂壁は凄い!




今朝は3時起床、5時行動開始で塩見岳手前の雪投沢までの長丁場だ。
ゆるやかそうで意外と傾斜がある白峰の稜線を、左に富士山を見ながら間の岳へ。
どれが頂上なのか判らないような広場で、農鳥小屋へ下降する分岐点でもあるので悪天候やガスにまかれたら危ない感じだ。
農鳥岳、西農鳥岳や尾無尾根から細沢カールをはさんで弘法小屋尾根、池山吊尾根、鳳凰三山まで眺望がすばらしい。
遠くに塩見岳のバットレスが望めて今日の行程の長さを実感する。
ここからはさして急な登り降りもないほとんど稜線のルートを歩く。


今朝も起床4時、夏山は朝の涼しい内に行動する方がいい。
ここからの塩見岳への登りはきつい。大きな山容を横目にゆっくりと歩を進める。 その北面の山頂直下から大規模な崩落と落石が始まって驚いた。
ガラガラ、ドド−ッと地響きもして1分位続いたような長さを感じたが、 下から雲のように砂煙が舞い上がってその規模と威力の凄さに恐ろしくて足がすくんでしまった。
やっとのことで東峰、続けて西峰へ。グルッと360度の大パノラマはすばらしい。白峰三山や、仙塩尾根、甲斐駒、仙丈、これから歩く本谷山から三伏峠も総て一望!

身延から広河原行のバスで「あるき沢橋」のバス停で降りるのだが、バス停の看板も見当たらないし他に降りる客などいないので、黙っていると終点まで連れて行かれてしまう。
一番前の席にいて地形と景色をみながらここで降ろしてと車掌に告げる。
橋の下からハシゴらしきもので一段上がってここが取り付き点だ。 池山小屋へは樹林の中の苦しい登りが続く。
小屋の前で幕営なのだが、バテてしまって昼寝つきの大休止。
水は急下降して往復1時間の所にあるので、もう一踏ん張りのアルバイトだ!


吊尾根分岐から北岳を往復して稜線小屋近くで幕営。 この日はなんと茶の心得のあるパートナーが茶道具,茶菓を持って来て 山上お点前と、風流をきめこむ。
テントから寝転がって見たのは満点の星。人工衛星も通過して行く。
手書きの幕営承認書には感激。誠実そうな若いお兄ちゃんがやって来て料金を徴集して行った。


熊ノ平、北荒川岳のお花畑の中を歩く縦走路は楽しい。
不思議なことに、すれ違った人に名前を呼ばれて挨拶をしたのだが、未だに誰だったのか思い出せないでいる。
幕営予定の北俣岳直下の雪投沢まであと少しだが、北荒川岳を過ぎた稜線のガレ場は危なかった。
ハイマツが張り出ていて、潜らないとルートから外れて谷へ落ちる。 パートナーがザックを引っ掛けてやられそうになってしまった。
幕営地はハイマツ帯上限の小さなテラスになっているが、ここも水は50mほど降りた沢の源頭で探すので、疲れ切った身体には堪える。


ガレ場から天狗岩を越えて塩見小屋を過ぎるとハイマツの尾根から樹林帯に入る。
権右衛門岳を通らずに南面をだらだら下り、少し登り返すと倒木や枯木の林立する本谷山だ。
頂上は開けていて三角点もあり、2時間程前にいた塩見岳を見ながら小休止。
次のコルから左に分けて三伏沢へ降りる。お花畑を登り返して三伏峠へ、さらに塩川まで一気に下る。午後に1本あるバスに乗るつもりだったのだ。
ところが、バスは来ないと言う。橋が流失して不通で運休とのこと。ガックリ...。
ともかく鹿塩まで歩くことにしたが、ヘトヘトになってたどり着いた。
が、救う神はいるもので、マイカーのおじさんが伊那大島まで乗せてくれると言う。しかも定員オーバーで!  ヤッタ!タスカッタ!感謝感激!
伊那大島は祭りで賑やか。駅近くの小さな旅館に、素泊まりでいいからと頼み込んで泊めてもらえた。 ヤレヤレ...。 明日は飯田線で終了だ。