Update 9.Jul.2020

14/18/21MHzロータリー V・ダイポールアンテナの設置

ナガラ電子工業 TV-1520


マスト上からナガラTV-1520,クリエートデザイン218C,クリエートデザインCD78Jr
14MHzのちゃんとしたアンテナが欲しくて八木アンテナも考えたが設置上の制約もあるので、 マストトップにある既設の18/24MHzのダイポールアンテナ(クリエートデザイン248S)を撤去してそこに設置した。
新アンテナはモノバンドでもよかったのだが製品としては見当たらないし作るのも面倒ということで、 ナガラのロータリーVダイポール14/18/21MHz3bandを紹介されて珍しいバンド構成なので使って見ることにした。
製品としては安易な設計と思えてしまうがゴツサがありその分重い。撤去したダイポールアンテナはほんの少し小振りだがほぼ同じタイプで重量は2.8kg、 このTV-1520は5.8kg(実測6.0kg)なので実に倍以上の重さなのだ。
V型ダイポールアンテナは全て組み上げた形での取付けは重心がエレメント上部になりひっくり返って逆Vになるモーメントが働くので 一人で正立させて持ち上げてマストクランプを取り付ける作業は余程の力自慢でない限り大変と言うより困難。
それでエレメントサポーター(ブラケット)のみを先に取付けた後でエレメントを片側ずつ取付けることにして、 エレメント端末を片手持ちでも持ち上げられて作業できるようにちょっとした治具を工夫してなんとか取付けることが出来た。
エレメントのインシュレーターへの固定がUボルトではなくてM5×45ナベネジでバランへの接続リードが共締めと言うのも厄介なこと。
いろいろ測定してみて調整は必要なようだが、作業場の環境条件などで簡単ではなく大変なのでしばらくはこのまま様子を見てみることにする。
既設の逆Vダイポールに比べて格段に良くなったのは嬉しい。給電点16mhのVと10mhの逆Vで高さの違いが大きいなと思える。 24MHzの運用はあきらめて18MHzがまた運用できるのが良い。
SWR測定にて最良点中心周波数のシフトについて単純には条件的に矛盾があるのでメーカー(ナガラ電子)に問い合わせて見たが、 18MHz、21MHzについてはトラップコイル内側のエレメントを1ピッチ縮めて周波数が高くなるようにセット、14Mhはトラップコイル外側の トップエレメントを1ピッチ伸ばして周波数が低くなるようにセットする。
先に内側エレメントを縮めると18MHz、21MHz は高くなるが14MHzも引っ張られて更に高くなるのでトップエレメントを伸ばして低くする。この場合トップエレメントの伸縮の 単位長当たりの調整効果が大きいので十分カバー出来るとのことだった。

エレメントAss'y(両翼) 3.6kg エレメントサポーターAss'y,マストクランプ 2.1kg
バランAss'y 0.3kg 総重量 6.0kg          準備、設置2020.6.27〜6.29

マスト最上段が地上高約16mのNAGARA TV-1520。下の218Cと90°の位相がある。 エレメントサポーター(ブラケット)が他に比較して異様に大きく感じる。



組立・設置・調整

なかなか丁寧な梱包だった。開梱して部品、付属品などの内容物をチェック。

トラップAss'yにトップエレメントを取付けてエフコとビニールテープで防水処理する。

トップ以外の接合部は防水処理をしない。トラップコイルのツノはキャパシティ。

エレメントサポートは仮マストを使って120°(実測124°)にセットして固定した。

エレメントサポートAss'yを取付けてからエレメントAss'yを片側ずつ取付け。

片側約1.8kg、4.23mのモーメントは端末の片手持ちでは相当な握力と腕力が要る。

一人でのエレメント取付け作業は難しいのでそれなりの独自の工夫が必要。

14MHzはアナライザのSWR測定で中心fが高過ぎでもっと低くしたい。

18、21MHzは低過ぎで高くしたいのだが14MHzとはエレメントの調整上矛盾する。

メーカー(ナガラ)に調整方法は確認したので後日改めてやってみるつもり。



組立てで水平にセットの場合に不具合発生
エレメントの角度が90°、120°、180°(水平)の三種類で選択セット出来るが、水平の試し組みで不具合を確認した。
水平にセットの場合は エレメントサポーターはマストクランプ用と合わせて3個が横一列になって固定されるのだが、エレメント用はインシュレーターが5M×35のナベネジで 取りつけられていてそのヘッドが出っ張っているのでクランプ用のエレメントサポーターには合わせた時の逃し穴が開けてあるが、 その位置が僅か(3ミリほど)ずれていてネジヘッドが穴の中に入り切らず、エレメントサポーター同士が密着しないので結果として組立が出来ない。
エレメント調整の問い合わせのついでにクレームをつけておいたが、加工に治具ではなく現物見本の現合の習いでやっているとかで そのセッティングを間違えたとかなんとか言っていた。
明るい声で笑いながら「申し訳ありません、すみませんでした」とスンナリと謝られて続きは何も言えなくなったが、電話受付の担当者が他部署に 回すのではなくそのまま技術的回答と営業、謝罪をすると言うことで会社のおおよそはなんとなくわかったような気がした。
水平では使う予定はないし面倒なので返品はせずに、穴位置の修正はエンドミルで長穴に追加工して使えるようにはしておいたが、考えてみればこの位置の インシュレーターの取り付けはフラットヘッドネジ、つまり皿ネジにすればこんな穴は不要なわけでその分強度も増すし余計な腐食も防げるしと、 一石二鳥、三鳥じゃないかと思うのだが。
私が設計なら絶対そうすると思う。