Update 2.Aug.'21
KENWOOD TS-680Sを受信専用機に改造
取り出した100Wファイナルユニットで単体のリニアアンプを作ってみたい

友人から不用品として譲り受けたTS-680S・100W機は30年ほど前のもので良く使い込まれていて基本的な動作 は問題ないのだがやはり細かい不具合はいくつか発生するし、何と言っても旧い設計は使い勝手が悪く実戦実用には向かなくなっていたので、少し思う ところもあって受信専用機に改造してモニターとして使うことにした。
改造と言ってもただ送信部のファイナルユニットを取り出してしまってアンテナ を受信入力に直結させるだけのことなのだが電源部がファイナルユニットの基板内にあるため、代わりに別に保管してあった同機の10Wファイナルユニットを 組み込むことで電源を確保することにした。
10Wのファイナルユニットは組み込まれてもローパスフィルタ基板を取り出してしまっているのでアンテナの 切替ができず送信モードにはなるが電波は出せない。そのため一応シグナルユニット基板内にあるエキサイターとしてのパワー調整のHIGH/LOWスイッチを LOWに切り換えておく。また電源電流が受信のみでは1A弱と少ないので電源コードも他機のヒューズ付きの細いものをコネクタを取り替えて流用した。



受信機としての機能は当然ながらすべて維持されているが、アンテナ回路のあるローパスフィルタ基板が ないので送受切替ができなくなって
アンテナは同軸コネクタ入力から受信部基板の入力にストレートに接続されることになった。 モデルとしはTS-680V・10W機ということ。

カバーを外してサブシャーシを開いてシールド板を外すと送信部が現れる。

ファイナルユニットの100W送信基板とフィルタユニットの
ローパスフィルタ(LPF)基板。 すべてコネクタ接続で分離は簡単。

100WファイナルユニットとLPFユニット基板を取り出す。
50MHzのパワーモジュールはLPF基板に内蔵。 先に取り出した方が良かった。

取り出したフィルタユニットのLPF基板と100Wファイナルユニット。
冷却送風にシロッコファンは珍しいか?

100Wファイナルユニットのファン一体型ヒートシンク。

電源回路のみ必要なために別に保管してあった10W送信基板を用意する。

ドライバートランジスタのエミッタ抵抗が破損していたので取り替えた。

基板を外したついでにサーマルコンパウンッドを塗り替えておいた。

冷却ファンはないが送信はしないので電源のレギュレーターICの放熱だけで良い。

アンテナ入力を1.5D-2Vケーブルでエクステンションを作ってコネクターに直付け。

10Wにしても送信はしないが一応シグナルユニット基板内のH/L切替をしておく。

サブシャーシを閉じて固定。良く考えられた凝った設計で当時としてはコンパクト。

メインシャーシ下側のコントロールユニット基板。もう整備のための手入れはせず。

電源コードは受信のみなので他機の細いのを流用でコネクタを替えて作り直した。