Update 28.May.2019
3.5/3.8MHz短縮ダイポールアンテナ
クリエート・デザイン CD78Jrの設置顛末記


マスト最下段が地上高約14mのCD78Jr。上の218Cとは約50°の位相がある。


最下降位置。地上からの脚立使用でクランプやカップラの調整作業などができる。
3.5MHzBandのQRV当初はこのタワートップから架設してあるスローパーだったが、受信ノイズが大きく感度も 物足りなく飛びもイマイチと言うことで同調型のダイポールアンテナを使ってみたく、自宅敷地の制約から候補の中でもっともエレメント長の短い クリエート・デザインのCD78Jrに決めた。
エレメント長は約12m弱となるので片翼で約6mを公道側に延長した場合に先端のキャパシティハットが 丁度敷地との境界上となる。また、エレベーターで下降させる時の周囲の建物との干渉を最低限に回避させて出来る限りの最下位まで降ろしたいので、 アンテナ相互の干渉とも考慮しながら微妙な角度を持ってマストに据え付け固定している。
基本は3.5MHz帯と3.8MHz帯の2Bandダイポールでそれぞれ 3チャンネルと2チャンネルのカップラでマッチングを取っているが中間の3.6MHz帯が設定されていないので3.5MHz帯の最も高い周波数チャンネルを 3.6MHzでマッチングが取れるようにカップラ内のコイルを調整した。
そのために低い方の周波数が持ち上げられたのでCWBandが犠牲になったが致し方 ない。3.7〜3.8MHz帯の高い方はSWRなどに目立った悪化はないようだがあまり利用する機会は少なそうだ。
いずれにしてもフルサイズの 28〜30%の機械的な高短縮率なので各チャンネルのSWR1.5〜2.0までの帯域幅は10〜20kHz程度と大変狭い。
カップラ付属のコントローラは組立キットになっているが電源スイッチが欲しいなと言うことで組立前にシャーシのスイッチ取り付け穴加工と、 シャックのラック内に縦置きで設置するためのアダプタ金具と木製基台を作って用意した。また、電源ラインには簡単なコモンモードフィルタをと思い 仕様のわからない適当なトロイダルコアとセラミックコンデンサを入れてある。
同軸ケーブル8DーFBとコントローラ81Cの制御ケーブルを タワー下部で中継しているので、ここで切り離してコントローラとアナライザを接続すればアンテナの調整がやり易い。   準備、設置2018.11.9 〜12.10


組立・設置・調整

CD78Jrの部材と取説。別梱でアンテナカップラBS-81Cとコントローラ81C。

キャパシティハットはアルミ線3〜2本撚り。弾力はあるが局部的応力で曲がり易い。

エレメント接合部は自己融着性絶縁テープ(エフコ)とビニールテープで処理。

エレメント接合部のビスはナット締付け後余分を切断しておくと良い。

エレメント組立完了。マストにクランプ取付後片側ずつクランプに取付けるつもり。

片側約3kgの重さで6mのモーメントは相当な力が要る。

一人でのクランプ締付け作業は難しいのでタワーから別に腕木を出して支点を作った。

カップラBS-81C取付。ラジエータとの連絡ベルトは弾力で彎曲させて接続する。

風圧での回転モーメントを考えて各クランプの締付けトルクは強くする。

下降はここが限度。180°反対の下降はカップラがエレベーターレールに干渉して不可。

キャパシティハットのTワイヤエレメントを大地と平行にするのが感覚的に難しい。

各チャンネルのSWRやインピーダンスなどの特性をアナライザーで測定と調整をする。
●アンテナ特性調整実測データはこちら
メーカー出荷の部品間違え 管理はどうなってんだろう...?
エレメントの組立が終わって試しにエレメントクランプに取り付けてみようとしてとんでもない不具合に出喰わしてしまった。
いきなり本番でマストに取り付けるタワー上作業でなくて良かった。もしも作業中であったらもっとひどい目に遭っていたと思う。
このためにメーカーとの折衝や検証と対策の物品のやりとりなどで無駄な時間がかかり都合10日ほどの遅れになってしまった。
最終的にはメーカー側が明確に非を認めて謝罪して今後の再発防止で社内チェックを見直し強化すると言ってきたので一応の決着はみた。
しかしなんともお粗末の感は拭えない。長い経営のなかでこの程度の管理機能がいまだに確立されていなかったということなのか?
当のパーツにしても正規品と交換するのではなく、間違えパーツをそのまま使えるボルトを送付するからそれでやってくださいという、
なんともまあ、それでいいのか?とも思ってしまう。なのでウチのCD78Jrは異種パーツの混じったニコイチと言うことにもなる。

仮組で試験装着してみたらUボルトが絶対的に短い!マストに実装する前に判明して
良かったよ。 すぐにメーカーに連絡したがそんなはずはないと予想通りの答。

話が平行線でこのままではなんともならないし引き下がるわけにもいかない。
それでは念のためと言って購入品と同じエレメントクランプとUボルトを送ってきた。

一応試してみたがワッシャも無しでこんなだから当然ダメだよねえ。この結果を連絡
してもまだ原因がわからないと言うのでメーカー側でも実装してみることになった。

メーカー側では問題ないと在庫部品での実装確認した写真を送ってきた。
注意して見るとUボルトとの隙間から判断してインシュレータが細い感じがする。

ちゃんとワッシャまで、しかも付属品セットには入ってない平ワッシャまで使ってる。
この場合は平ワッシャはあった方が絶対にいいはずで、ユーザーをナメトルなあ。
インシュレーターの色とか太さとか違うんじゃない?と指摘。 でもこれが正規品ですと。
このことをヒントにして何か思い当たることはないのか?と言いたくなる。

ラチが明かないので原因の目星をつけたインシュレーターの外径測定写真を送った。
これでやっと理解できたようだ。購入品同梱のものはハイパワー仕様のインシュレーターなんだと。ノーマルのものと交換するのではなくそのまま使って 問題ないからハイパワー仕様用の少し幅広で長いUボルトにしてくれと送ってきて一応決着。スッキリしないわ。
コントローラの改造・組立・配線・設置

カップラBS-81Cのコントローラ81C組立キット

シャーシに電源スイッチ取付の角穴加工

シャーシ裏面と電源スイッチを取付

シャーシを縦置きのためのアダプタ金具を作る。

取説の回路に電源スイッチをを追加した回路で配線。

電源スイッチはちょうど良いスペースがあったと思う。

トロイダルコアとセラミックコンデンサも追加。

電源コードと制御ケーブルはゴムブッシュを介して。

シャーシはアダプタ金具で木の台にビス留めして縦置き。

レンジ3.56chは3.605に調整したため3.53chがアマ無線バンドから外れてしまい、3.7と3.8は使うことはまずないので実質2チャンネルのみの利用。