DUCATI Sport 1000 S
車高とハンドル高さを調整する <足付き対策>
ショップの展示車を見て一目で気に入ってしまったSport 1000Sだが、跨がってみてつま先すら地に着かない、これではとても乗れるものではないと思った。
ショップ店長の、レイダウンキットなるものを使えばシート高が45mm下がるとのことで、その実際を確かめることもなく購入契約をしてしまった。
リヤショックのスゥイングアーム取付を後退させて車高を下げるやり方で、このパーツもなかなかの高価。
リヤを下げたことによってキャスターが寝てしまったことの修正と、フロントも下げて少しでも車高を下げたいとのことから、フロントフォークの突き出しを増して調整をすることにした。
フォークストロークと関連のクリアランスからと、ゲージ用に作ったシム材料の板厚から12.3mmとなったが、これは最適値と言う根拠のある数字ではなく、少し大きめかなとも思う。
まず車体を水平垂直の前輪を直進のセンターに固定しておく。
トップブリッジ下にシムを挿んでハンドルを固定してシムを取り出してからアンダーとトップブリッジの固定ボルトを緩めるとヘッドがストンと落ちるので、左右フォークの突き出し量の誤差やフォークのねじれなどの有無を確認してボルトを締めて固定する。
ブレーキホースのたわみも少し調整するが、ハンドル右末切りでハーネスとの干渉も強くなるので、ハーネスをインシュロックで固定し直す。
下げ値としても限界なのだろう。
このマシンのハンドルはトップブリッジ下のかなり低い位置にあり、レーサーそのものと言える過激な前傾を強いられる。
クリップオン好きのワタシも長距離ではさすがに堪えるので、もう少し改善したいとは思っている。
ノーマルではハンドルブラケットとトップブリッジの間に20mmのスぺーサーとなる回り止めがあるので、これを取り外せば数字としては20mm引き上げることが出来る。
しかし、ハンドルの右末切りでカウルと干渉することが判って、ハンドル絞り角度や最大切れ角を変えない限り無理とわかった。
干渉しないで可能な引き上げ量は僅か6mm、仕方ないので取り合えず仮に14mmのスぺーサーをあつらえてノーマル角度でセットしてあるが、キャスター角度で斜めに移動する為ハンドル角度の僅かな絞りで大きく変わるので将来はフルに引き上げる様に方策を考えている。
調整後のワンショット。
どこから観てもその変化が判るほどではないが、パッと見には全体のフォルムから低く見えて楽に乗れそうに感じられる。
これだけのことをしての懸案の足付き改善は左右両つま先がなんとか路面に着く程度である。
リヤの対策はかなりの効果があるようだが、フロントの調整はシート高に関しては大して効果はない様に思える。
それはシート座面からのそれぞれの調整点までの距離の違いから当然なのだが、アライメントに関しては良い方に改善されたと思っている。